内臓脂肪が蓄積することにより、さまざまな生活習慣病(高血圧・糖尿病・高脂血症など)を引き起こしている状態のことを、メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)といいます。
内臓脂肪の蓄積が細胞でのインスリンの働きを悪くする(インスリン抵抗性)ことが悪さをするといわれています。
肥満は、体のどの部位に主に脂肪がついているかによって、2つのタイプに分けられます。
内臓の周囲に脂肪がつく「内臓脂肪型肥満」と、下腹部、おしり、太ももなどの皮下に脂肪がつく「皮下脂肪型肥満」です。
このうち、メタボリックシンドロームで問題となるのは内臓脂肪型肥満です。
体質も関係していますが、過食、運動不足などの生活習慣が原因と考えられています。
糖尿病、高脂血症、高血圧、高尿酸血症、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病により動脈硬化が起こります。
これらの病気が多くあればあるほど動脈硬化の進行は速くなります。動脈硬化が放置されると、脳や心臓、腎臓など重要臓器が大きなダメージを受け、脳卒中、心筋梗塞、腎臓病などを起こします。
心臓疾患、脳卒中は日本人の死亡原因の第2位と第3位です。死亡原因第一位のがんとあわせると、実に約6割が生活習慣病でなくなっていることになるのです。また、介護が必要になる原因の第1位は脳卒中です。
健康で豊かな生活を送るためには生活習慣病対策が欠かせません。
メタボリックシンドロームにより動脈硬化が起こりやすくなります。動脈硬化が放置されると、脳や心臓、腎臓など重要臓器が大きなダメージを受け、脳卒中・心筋梗塞・腎臓病(腎硬化症)などを起こします。
心臓疾患、脳卒中は日本人の死亡原因の第2位と第3位であり、介護が必要になる原因の第1位は脳卒中です。
メタボリックシンドロームの人は、それぞれは軽くても、糖尿病・高血圧・高脂血症などの動脈硬化の危険因子をいくつも持っています。
これらの危険因子は重なり合うことで、心臓疾患や脳卒中を起こす危険はさらに増加します。これらの危険因子が3つ以上ある場合は、心筋梗塞や脳卒中になる可能性が、正常な人の約30倍といわれています。
メタボリックシンドロームはどうしてわかるのですか? |
まず内臓脂肪の蓄積を見つけることが大切です。
皮下脂肪型肥満と違い、見た目は一見太っていないように見えて内臓に脂肪がたまっていることがあります。内臓脂肪量の測定は正確には腹部CT検査が必要になりますが、へそ周囲の腹囲を測ることで推定できます。男性は85cm以上、女性は90cm以上が、内臓脂肪面積100cm2以上相当し、メタボリックシンドロームの診断基準にあてはなります。この際、腰のくびれたところでなく、へその上で腹囲を測ることが大切です。洋服のウェストサイズを測るときとは違うので気をつけましょう。
その他、血圧測定、血液検査が必要です。最低でも年に1回は血液検査を受けましょう。右上の図1にメタボリックシンドロームの診断基準を示しました。
生活習慣を改善し、内臓脂肪を減らすことでメタボリックシンドロームを予防し改善させることができます。体重や腹囲を定期的に測り、肥満に陥らないよう生活習慣を変えていきましょう。
改善のポイントは、『バランスの取れた食事を腹八分目』と『適度な運動』です。
メタボリックシンドロームを防ぐ食生活の基本
食事は腹八分目
適正体重を保ち肥満にならないようにしましょう。
脂っこいもの、甘いもの、塩辛いものは控えめに
野菜をしっかり摂りましょう
栄養バランスのよい食事
ゆっくり噛んで食べましょう
規則正しく食事をしましょう
朝食は抜かない、夜食は控えましょう
アルコールはほどほどに
適度な運動をしましょう
適度な有酸素運動により、とりすぎたエネルギーを消費し脂肪の蓄積を防ぐことができます。短時間でも毎日続けていくことが大切です。まずは、歩くことからはじめてみましょう。
その他、禁煙やストレスをためないことも大切です。
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